Update :

31 MAR, 2021

50年後の未来ビジョン

  • #Post CORONA
  • #地球の持続可能性の確保
Credit :
  • Yumi Shirai (Researcher, Advanced Technology Center, MRI)
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ThinkLinkはMRIの「50周年記念研究」で掲げられた5つの未来目標を起点に仮説を掲げ、これまで様々なディスカッションを行ってきました。本コラムでは研究成果の主要な論点をご紹介します。

白井 優美

三菱総合研究所 先進技術センター 研究員

 先端技術の動向調査・社会実装プロセス研究に携わる。三菱総研「50周年記念研究」のプロジェクトメンバーであり、ThinkLinkの運営も担う。

50周年記念研究で描く、50年後の未来

MRIは創業50周年を機に、50年後の未来社会に向けたビジョンを示し、日本における実現策を描いた「50周年記念研究」を実施しました。50年後、世界の人口は100億人に達し、先進国を中心に人生100歳時代を迎えます。社会はどうあるべきか、人はどうありたいかを社外の有識者ともディスカッションを重ねながら多面的に検討し、「豊かさと持続可能性」を両立させる社会への道筋を示しています。
 ThinkLinkは50周年記念研究で掲げられた5つの未来目標を起点に仮説を掲げ、これまで様々なディスカッションを行ってきました。各目標の内容と実現方策は下記テーマページをご参照ください。本コラムでは研究成果の主要な論点をご紹介します。

5つの未来目標—新しい「豊かさと持続可能性」

50年後に世界の全ての人が現在の日本人と同水準の暮らしを送れるようにするためには、地球3.3個分の資源が必要になると試算されます。こうした事態を避けるためには、社会を、豊かさと持続可能性を両立させた21世紀型へと変革させなければなりません。そのためには、「一人ひとりのウェルビーイング」と、「次世代に向けた安全安心で持続可能な社会」を同時並行的に実現させる必要があります。
一人ひとりのウェルビーイングを実現するには、 健康維持・心身の潜在能力発揮多様性の尊重とつながりの確保新たな価値創出と自己実現の3つが必要となります。次世代に向けた安全安心で持続可能な社会を実現するには、自然災害や感染症などに対する 安全安心を担保するとともに、資源の有効活用などを通じて 地球環境を保全し続けることが不可欠となります。

キーファクターは「3X」と「共領域」

新しい豊かさと持続可能性を両立させる未来に向け、研究では二つの重要なキーファクターを提言しています。人の能力や可能性を拡張するテクノロジーであるデジタル(DX)・バイオ(BX)・コミュニケーション(CX)という3つのトランスフォーメーションを表す「3X」と、やりたいことを探索し共感する人々が集まり新たな価値をつくり上げていく未来のコミュニティ「共領域」の構築です。
3Xと共領域を効果的に活用することで人と社会の新しい関係を構築し、ひとりひとりのWell-beingと社会全体の利益の調和が実現されると考えています。

シンクタンクの現場からインパクトを未来へ

ビジョンを構想するだけでなく、MRIは変革へのAction(実装)を生む共創コミュニティをThinkLinkで始めています。異なる領域のプレーヤーが集まり、テーマや仮説を議論し、共感の輪を広げ、共に行動を起こすことで未来を動かす。ThinkLinkはそのプロセスを重要と考え、ディスカッションを公開しています。未来へ向けて一緒に考えたいことやThinkLinkについてもっと知りたいという方は、是非 お問い合わせください。
  • Yumi Shirai (Researcher, Advanced Technology Center, MRI)