safety and security

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安全安心の担保

レジリエントな社会、
ウェルビーイングな暮らし

災害や感染症の被害を最小化できる社会

テクノロジーがどんなに発達しても、自然をコントロールすることはできません。災害や感染症の発生などを完全に防ぐことは不可能です。しかし、ひとりひとりの行動変容の上で、最適にテクノロジーを活用すれば、被害を最小化することは可能です。それぞれの災害に対する予測や予防、対応、復旧・復興の各段階で高度化を図り、個人の防災力を社会全体で高めていく。さらに、これまでの公助中心の対応策だけでなく、自助・互助・共助の機能を加えることで、人的被害や社会的・経済的損失の大幅な低下を目指します。

仮想空間での安全安心を担保

これから迎える超高度デジタル化社会では、その基盤となる仮想空間に「安全安心」が求められます。AIやIoTの進展は、これまで以上にきめ細やかなデータを大量収集し、分析・活用することを可能にします。例えば、新型コロナウイルス感染拡大において、個人の行動履歴等を国家が把握・監視するような動きが見られます。これは感染拡大を防ぐ社会の安全に貢献する一方で、個人の自由・権利の侵害にもつながりかねません。仮想空間で最大限の安全安心を得られる社会を実現するためには、「流通する情報、利用する技術、情報を管理・利用する主体」に対する信頼の形成が必要です。

How to Realize the Goals

目指す未来を実現するために

「安全安心を担保する社会」の実現に向けて、MRIでは以下の実現方策を提案しています。

個人に最適化する「パーソナル防災」

災害や感染症の被害を最小化するために、徹底して個人に最適化する「パーソナル防災」を提言します。センシングテクノロジーやAI、情報通信、コミュニケーションテクノロジーが進展することで、従来のマス型の防災対応から脱却し、ひとりひとりの住む場所、行動範囲、リスク(持病・アレルギー・年齢など)に応じて防災をカスタマイズし、最適な対応へ誘導することが可能です。

現実空間×仮想空間のモードチェンジで社会を冗長化

災害や感染症による社会的・経済的な損失を最小化するためには、平時でも緊急時でも活用できる社会資本を整備し、「迅速なモードチェンジ」を行えることが重要です。フェーズフリー(日常・非日常を問わない)やマルチベネフィット(複数課題の同時解決)の観点から、まちづくりやインフラ形成を進めるとともに、仮想空間を有効活用することで、平時の効率性や利便性を損なうことなく緊急時にも備えることができます。

メタ・トラストフレームワークの整備

現実と仮想空間の融合が深化し、社会・経済活動の重要基盤となるには「信頼形成」が不可欠です。その方策として「技術・法制度・市場・社会規範などを包括的に構築する枠組み」となる、メタ・トラストフレームワークの整備を提言します。データ利活用の利便性を追求しつつ、情報の真正性、仮想空間における人と組織の正当性、技術やAIに対する信頼性などの安全安心を担保します。

ベースとしたMRIの未来研究